銀河豪遊伝説~デ・パチカ空域への突入(プロローグ)
※この記事はただのうわ言、戯言、妄想です。ホンマにヒマな人だけ読んでください。なお声のイメージは「バンキシャ!」のナレーターでお馴染みの大塚芳忠氏あたりでお願いします(笑)
航海日誌20211211、この音声データをのちに誰が聞くのかは、私は知る由もない。
私の名はイズミ・シュ・センド。
ゼニカネ宇宙軍第3587基幹艦隊麾下5209機動突撃軍所属、機動巡洋艦ナ・ガザイフの艦長である。階級は宇宙機動軍中佐。
人は私を蓄財の鬼、または畏敬の念を込めてカネの亡者と呼ぶ。
明日1200(ヒトフタマルマル)に、我が艦はデ・パチカ空域へワープを行う。
目的は以下のものを確保し、速やかに空域を離脱すること。
・精肉店のハンバーグ2つ
・モロゾフのプリン
・ユーハイムの白いケーキ
だが、この音声データを聞く若き蓄財者たちよ。
デ・パチカに足を踏み入れる際に絶対にしてはならないことがある。
それは、「絶対に空腹でこの空域に侵入してはならない」ということだ。
ここは人々の欲望が渦巻く「魔の空域」だ。
しかも食欲という人間の本能を直接刺激する邪悪な気配で満ち満ちている。
ひとたび気を抜けばどんな志高い蓄財者も自我が崩壊して、財布のひもが全開になり、たちどころに散財してしまうだろう。必ず血糖値は上げておけ。必ずだ。
偉そうに言うこの私にも苦い経験がある。今から16年前のあの日・・・
~16年前、デ・パチカ空域最奥部~
「右舷の敵に攻撃を集中しろ!」
食欲、物欲というビームの光芒がきらめく空域で私は光速フリゲート艦フタ・ツオリの指揮を執っていた。
目的はこの空域に出現したホッカ・イドーブッサンテンで「六花亭マルセイバターサンド」を入手することだった。
私は得意の一撃離脱の戦法ですでにバターサンドを入手していた。
しかし、、、一瞬の油断が大惨事を招いてしまった。
「まだいるはずだ、シールド発生装置の出力を30%まで下げ、空域をスキャンしろ!」
オペレーター
「しかし、それでは攻撃されたら艦はひとたまりもありません」
「この空域に敵はいない」
オペレーター
「了解、シールド出力30%に低下、空域のスキャン開始します」
それが間違いだと気づくのに時間はかからなかった・・・
!!!
轟音とともに艦が揺れた。
「なんだ!」
オペレーター
「被弾しました。左舷部!」
「なんだと、どこからの攻撃だ?」
オペレーター
「さ、3時方向・・・と、、、とうきびチョコです・・・」
「な、まさか、あんなところに・・・」
ホワイト、ミルク、ビター、、、3種そろい踏み。チョコのマイルドな味ととうきびのサクッとした触感に抗えるわけがなかった・・・1,500円以上は確実だ・・・
オペレーター
「今の攻撃で、メインリアクターおよび第2シールド発生装置が破損、衝撃で第1、第3シールド発生装置も停止しました。」
艦は丸裸の状態だった。
まさかの事態に狼狽する私をあざ笑うかのごとく、攻撃は続いた。そして・・・
!!
プリッジが炎に包まれた。
「ロ、ロイズのチョコレートが・・・」
オペレーターの断末魔の声を最後に私は意識を失った。
私の一瞬の油断が原因で艦は轟沈、私は奇跡的に助かった。
当時、私を貯蓄王、貯金王をほめそやす者もいたが、所詮はただの若造だった。
ホッカ・イドーブッサンテンの前に私は完敗だった。
財布のひもの固さは宇宙一を自負していたが、結局は6,000円という大金を失ってしまった・・・
今一度言おう。若き蓄財者たちよ。
デ・パチカ空域は魔の空域だ。かつて幾多の蓄財者たちがその藻屑と消えた。
言わば、あそこは蓄財を志した者たちのサルガッソー(墓場)だ。
生きて戻りたければ決して甘く見るな。
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